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海老原 健一; 蕪木 英雄; 高井 健一*
Proceedings of 2012 International Hydrogen Conference; Hydrogen-Materials Interactions, p.553 - 561, 2014/02
構造材料として広く使われている鉄鋼において、水素脆化を起因とするき裂が観測されていることから、その機構解明が望まれている。鉄鋼の水素脆化を理解するためには、格子欠陥と水素の結合強さを表す水素のデトラッピング活性化エネルギーの正確な評価が重要である。通常、実験水素熱放出曲線からデトラッピング活性化エネルギーを評価するチューとリーの方法は、試料における水素拡散を無視しているため、詳細に調べられる必要がある。今回、チューとリーの方法を使って、純鉄の実験熱放出曲線から、また、実験熱放出曲線を再現できるようにパラメータを調整した一次元拡散反応方程式によってシミュレートした放出曲線から、水素のデトラッピング活性化エネルギーを評価した。その結果、試料サイズが大きくなると、チューとリーの方法はデトラッピング活性化エネルギーを過小評価することがわかった。また、このサイズ依存性は、拡散過程によるデトラッピング過程のピークが変形されることに起因することが明らかとなった。
山口 正剛; 亀田 純*
Proceedings of 2012 International Hydrogen Conference; Hydrogen-Materials Interactions, p.747 - 755, 2014/01
第一原理計算により溶質元素の粒界偏析による鉄の粒界脆化について調べた結果を報告する。鉄の結晶粒界に、リン、スズ、アンチモンなどの脆化元素が偏析すると粒界の凝集エネルギーが低下するが、実際、第一原理計算から、粒界偏析量が増えるとともに粒界凝集エネルギーが減少していくことがわかった。この結果は、中強度Ni-Cr鋼において見られているミクロな破壊靭性の低下をよく説明し、これらの脆化は、き裂進展の前後では動かない元素、すなわちインモバイル元素による粒界脆化であることが分かる。その一方、水素の場合には、破壊が生じる室温においても、き裂進展中に動くことによる脆化効果の促進があると考えられる。このモバイル効果については、粒界と破壊面における水素のケミカルポテンシャルが一定という条件からその効果を見積り、鉄粒界においては、水素のモバイル効果が大きくなり、実験的に見られる激しい粒界水素脆性をよく説明できる結果を得た。